アレンはいつものようにマナが簡素な食事を作るのをじっと眺めていた。 マナの作業する姿を見るのは楽しい。彼はいつも無駄の何一つ無い流れるような動きをする。 しばらくするとマナが顔を上げ、アレンの視線に気付いて頬をほころばせた。 「アレン」 そうして、アレンの大好きな声で名前を呼ぶ。 「まだあっちへ行っておいで。もう少しで出来上るから」 アレンは思わず頬を膨らませる。自分の目的はマナであって、昼食などではなかったのに。 マナは機嫌を損ねられた理由を見つけられず、困ったように首筋のあたりを掻いた。 「もういいよ。あっちに行く」 アレンは逃げ出すように小走りでキッチンを出た。 アレンがマナを慕うのが、単に義父としてではなく、それ以上のものになってしまったことなど 勿論彼は知るはずが無い。未だにマナはアレンを、ただの哀れな孤児、あるいは血のつながって いない息子としか思っていないのだろう、とアレンは思う。 知らないなら、教えてあげない。 そう心中で拗ねながらも、今はまだ、その気持ちが知られていないほうがいいような気もした。 「マナのばか」 アレンはくすくすと笑い、本人の耳には届かないよう、小さな声でつぶやいた。 -------------------------------------------------------------------------------- マナの前ではアレンは素直でいい子なんだけど、ちょっとわがままというか、 マナにめいっぱい甘えてたらいいなあ、とか。思ってみたり。 …なんだか訳の分からないシロモノになってしまいました。反省。 こんなものですが、友人にして希少価値な同志である守黒羅紗さまにこっそり捧げますv 見つかりませんように。。。(笑) 改装したけれどこれは背景黒にしないでおきました。ちょっと、あんまりにもあんまりかなあと 思いまして…(苦笑)