葉鳥 奈南川の、物憂げな横顔を見るたびに、 その美貌に圧倒されながら、どうして こんなにも悲しげな顔をするのだろう といつも考えていた。 恐らく、恐らく、彼は、葉鳥とはちが った次元で生きているのだろう。 それを理解するなど、所詮無理な話で。 自分を卑下するつもりはない。けれど 葉鳥は、奈南川の横顔を見るたびに、 やはりその美貌に圧倒されながらも、 自分はこの男のことを何一つ理解する ことは出来ないのだろうと思い知らさ れるようだった。 それは仕方のないことだ。彼はいつも、 能力のないほう、いわゆる落ちこぼれ というほうに勘定される種類の人間だ った。葉鳥がヨツバに入社したのもま た、親の威光によるものだった。少な くとも、彼はそう感じていた。 そしてそれは、奈南川とは全く正反対 のことだった。奈南川には力があった。 何か、それもまた、葉鳥には理解し得 ないような種類の力が。 一体何だったろうか。 自分が死ぬのだと理解したとき、初めて 奈南川が自分と同じ人間なのだというこ とに気がついた。 自分の死を、それも解かりにくいやり方 で、けれど本当に悼んでくれたのは、会 社では彼だけだったかも知れない。 僕に、彼が救えたらいい。 一度でいい、だから、 息が止まる寸前に、そんなことを思った。 (…奈南川) けれど最後に彼の脳裏に浮かんだのは、 奈南川の、やはり彼には理解できない表 情の、冷たい美貌の横顔だった。
あの、葉鳥が死んだのって、実はけっ こうみんな悲しんでたような気がしま す。火口も含め。う〜ん、都合がよす ぎるか(笑 自分で読んでて恥ずかしくなるような 文章は、書かないように努力します。 努力します、よ?(逃げ)