雪解け 寮と寮をつなぐ道が、きらきらと光っていてどきりとした。 つもっていた雪がとけて水たまりになっていた。 もうそんな季節かとシリウスはため息を漏らす。 春になれば、と。そう自分に言い聞かせてきた。そういえば夏にも同じことを思ったかもしれない。 道から目を離すと、ちょうどセブルス・スネイプが遠くで見えなくなるところだった。 今日また彼を怒鳴ってしまった。喧嘩をした。睨みつけた先の顔が、少し傷ついたように歪んでいた。 傷つけるつもりなど、無かったのに。 何も変わっていない。変わったのはシリウスだけだ。本当はセブルスのことを、嫌いではないのかもし れないと気がついた。けれど、ただ、それだけ。 遠く望んだスリザリンの窓は堅く閉ざされていた。何ものもいれまいとするかのように。その様子がセ ブルスを思わせて、シリウスはすこし苦笑をする。 白昼の光が隠されたものも全てあばきだそうとするかのように満ちていた。シリウスは心のうちを隠す ように目を伏せる。 セブルスは、スリザリン寮の前で足を止めた。一輪だけの、早まった春の花がいやに目に付いた。 摘みとろうとした手を、思い直して引き寄せる。 少し困惑していた。自分は思っていたよりも嫌われていたらしい。 「…参った」 人の気持ちをどうこうしようと言うのではない。ただ、少し面食らった。セブルスは彼のことを、決し て嫌ってはいなかったから。 セブルスは一度だけ振り返った。シリウスの姿はもう無く、空には昼の月がたよりなげに浮いていた。

無理やり締めたくさい終わり方が得意です。終われないの… シリスネ! 念願のシリスネ! も〜大好きなんですvv ラブラブ。 すれ違い気味なのも好きだし、憎みあってるのも好きだし、ラブラブでも好きです。 とにかく好き。 にゃんにゃんにゃんの日、おめでとうございました。更新間に合ってよかった…